記憶がない一日
陣痛が始まり、私は人生で初めて経験する痛みにパニックでした。
とにかくお尻が痛い。
出産準備の必需品リストに、よくテニスボールと書いてありますよね。
陣痛中、テニスボールでおしりの穴周辺をグッと押してもらうと、いきみのがしになると。
ですが、私は「そんなもの必要ないでしょ~ていうか本当にみんな使ってるの?」と半信半疑でした。
当時の私を呪いました。
腰が痛い~お尻が痛い~とうめく私に、助産師さんに教わった通りにおしりをグーの手で圧迫してくれる旦那さま。
この時はもう冷静ではなかったので、恥ずかしさなんて皆無でした。
うちの旦那はガタイも良く、仕事柄力もあるほうなのですが、それでも赤ちゃんが頭で圧迫する力には勝てませんでした。
テニスボール様~と何度も胸の中で叫びました。
そんな時、破水をして時間が経っているので促進剤を使ってお産を進めよう、と助産師さんから提案が。
もうすぐにでも出してしまいたい!!!!!と思いながらお尻の痛みと戦っていた私は即答で「お願いします!!!」と。
注射大嫌いな私も、この時ばかりは点滴を喜んで受け入れました。
すこしずつ落ちてくる促進剤の点滴。
もっとドバっときてよ!!!!そして早くこの痛みから解放してくれ~~~~
2時間ほどして、私は錯乱状態になっていました。
隣のベッドの妊婦さんは、あまりの陣痛の辛さにずっと吐いていましたが、そんなことちっとも気になりませんでした。